鋼板について
鋼板について
※鋼板にも、いろいろ種類がありますが、特に指定がなければ「ガルバリュウム鋼板」を使用します。
※また、「ステン鋼板」使用の場合も、あらかじめお申し出ください。
※屋根の谷については、基本的に、「ステン鋼板」を使います。 銅板等で施工したい場合は、あらかじめお申し出ください。
以下に、鋼板の「うんちく」を並べました。参考にしてください。
ブリキについて
建築板金屋の別名「ブリキ屋」
漢字では、「錻力」と書くそうです。自分が作ったロゴマークにも採用しています。
錫(スズ)をメッキしてあります。 ですから、「トタン板」のことを「ブリキ」と言う人がいますが、厳密には間違っています。
今は、主に缶詰の缶に使われています。以前は、飲料缶にも使われていたらしいです。 もっと以前は、ブリキのおもちゃとしても活躍していました。
ブリキの語源(諸説あり)
ブリキの語源について、とある方より教えてもらいました。
昔、外国より「ブロック」が輸入されていた時、薄い鉄板に巻かれてきていたそうで。
それを見た、昔の人が「これは何ですか?」と、「薄い鉄板の名前」を聞いたところ。
外国の人は、「ブロック」の事を聞いたと勘違いして、「block」っと、答えたそうで。
それが、伝えられる間に「ブリッキ」⇒「ブリキ」となり。
「薄い鉄板」の事を、「ブリキ」と呼ぶようになったとか。
「ほったいも いじるな」の感覚で、英語圏の人と話す時に「ブロック」を呼ぶときには、「ブリッキ」っと、言った方が通じるかもしれません。
亜鉛メッキの鋼板(トタン板)とは?
以前から使われている、鋼板です。
文字通り鉄板に「亜鉛メッキ」を施した鋼板です。「トタン板」、亜鉛鉄板とも呼ばれています。
亜鉛が鉄より早く腐食することによって、鉄そのものの腐食を防ぐ効果があります。(って事で、結局錆びます…)
ただ、施工した場所の条件にもよるでしょうが、なかなか錆びない所もあります。
(近所で、施工させてもらった「I邸」の外壁は、定尺のトタンで張りましたが、20年近くたっても、錆びていません。10年ほどしか経っていない我が家の金属サイディングが錆び始めたのが少し悔しいです)
メッキ方法は、「ドブづけ」と呼ばれる、溶けた亜鉛に製品を漬ける方法と「電気メッキ」があります。
「ドブづけ」方法は一般的で、トタン板も この方法でメッキされています。メッキの表面に結晶の模様が出るのが特徴です。
樋吊りに施される亜鉛メッキも「ドブづけ」と呼びますが、これは、表面処理もへったくれもない、メッキ槽にドボンと漬けて、出して そのまま ほっといて乾かしただけの製品です。
「電気メッキ」の方は、メッキ槽に電極を入れて、…うんたらかんたら・・・(イオンがどうのこうの言っていたような…)忘れました! メッキの厚みが均一にできるそうです。ボンデ鋼板と呼びます。(ドーナツのボンデって、どこから来たのだろうと 思っています)
ガルバリュウム鋼板(ガルバ)とは?
トップページにもありますが、メッキ金属に「アルミニウム55%・亜鉛43.4%・ケイ素(シリコン)1.6%」の合金を使っています。
優れた耐食性を持っているので、今や多くの建物に使用されています。
昔の板金屋が、ブリキを扱っていたから、「ブリキ屋」と、呼ばれたなら、今は、「ガルバ屋か?」と、思うくらい、広く出回っています。
自分も、修行から開けて戻ってきた時から、ずっとガルバを使っています。当初、トタン板に比べ少し高めだったのですが、「ガルバ」の良さを見抜き、お客さんに進めてきました。(拍手)
今では、「トタン板はガルバにして」という人もいます。(厳密にはトタンとガルバとは違います)
勘違いといえば、「ガルバは錆びない」と思っている人もいるようです。「錆びない あのトタンを使ってくりょう」と言われますが、「ガルバ」も やはり鉄にメッキした代物ですので、いずれ、錆び始めます。
しかし、本当に耐久性に優れていて、親方の所で修行していたころに使ったお宅も、未だ錆が見られませんでした。(あまり 物持ちが良いと改修の仕事が無くなってしまうー)
次世代ガルバリウム鋼板 「SGL」とは?
ガルバリウム鋼板が、進化して、従来の「亜鉛・アルミ・ケイ素」のメッキ金属に、
新たに「マグネシウム」を加えた製品です。
マグネシウムが加わったことにより、メッキ粒子の隙間が埋められて、より高い耐食性が実現できたそうです。
その耐食性は、今までの「ガルバリウム鋼板」の
3倍‼
20年ほど前 施工した、ガルバ製品のお宅に まだ、腐食が見られないので、この3倍となると、腐食するまでに「60年‼」・・・
板金屋の仕事が増々少なくなりそうな・・・
しかし、お施主さんのため、自分の所も順次「SGL」に替えていきたいと思います。
これからは「SGL」です!!
ステンレス鋼板(ステン板)とは?
「ステイン」錆とか汚れ、「レス」否定 と合わせて作られた単語です。
「鉄」50%を主成分として「クロム」を10.5%以上合わせた合金です。
「鉄」「クロム」の配合を変え、他に「ニッケル」または、「アルミ」などを含ませたりもします。
この配合により、「磁石」にくっついたり するステンレスもあります。聞いた所によると、「磁石にくっつかない方が、いいステン」らしいです。
村越板金のステンレスは、非磁性の製品を使っています。(ちなみに、表示記号で「SUS304」または、JIS呼称で「18-8(じゅうはち はち)」と呼ばれる物になります) ※クロム18%・ニッケル8%の意味
成分のクロムが酸化して丈夫になり耐食性を発揮するそうです。
高校の時の授業で、『ステンは錆びないと言われますが、鉄が酸化する事を「錆びる」と言うなら、ステンはすでに「錆びている」ことになる。』と 言われました。(今思ったんですけど、鉄の酸化が「錆び」なだけで「クロム」の酸化は「別の名前」に なるのではないか?)
用途として、谷・見切・水切には、0.3のカラーステン 表面処理「2B」と呼ばれる段階の物に塗装した製品を使います。
厨房などには、№4と 呼ばれる鏡のような処理をした物を使います。厚みは、0.35です。
この他に、ヘアラインと呼ばれる「髪の毛」の様な細いラインを付けて加工した製品もあります。
銅板とは?
以前は、丈夫で「銅板で屋根をやったら、一生もの だ」と言われていましたが、今や「酸性雨」の影響で、その伝説に曇りが見えています。
板金屋の用途では、屋根材・樋・谷などに用います。
職人用語で「あか」と、呼びます。別名の「赤金(あかがね)」からの引用だと思います。 樋の材料メーカーの「パナソニック」さんも、赤茶色の樋の色呼称を「あか」と呼ぶようにしています。
酸性雨の御蔭で すっかり影が薄くなってしまいましたが、見栄えがいいので、玄関の庇などに使ってくれる お宅も あります。
銅板も表面が、「早く・上手く」酸化してくれると、「緑青」呼ばれる一種の「酸化銅」になり、さらなる酸化が防止されます。
色は、文字通り「緑っぽい青」で、「自由の女神」の色を想像していただければいいと思います。
今の環境は、この「緑青」が形成される前に、塩酸を含んだ雨によって銅板が溶けてしまいます。
それでも、厚みがあれば、溶けきる前に「緑青」が出来、それこそ「一生もの」と 呼ばれる物になります。
親父が作った、自分の家の屋根も一部に銅板で葺いた屋根を使っています。何とか もって 取合えず「一生もの」では ありました。
緑青ができない環境なのか30年以上たった今でも、きれいな青緑色に変わりません。おかげで、銅板が かなり薄くなっています。(汗)
板厚
屋根用の規格板厚は、鋼板は「0.35」から、ステン鋼板は、「0.3」からと、なっています。
折板88は、形状の関係で「0.6」からの、成型をお勧めします。
外壁用の板厚は、「0.27」が基本です。でも、最近は「0.35」で施工されるお宅も増えてきました。やはり、丈夫さを優先するようになりましたかね。
また、成型機械の関係で、成型できる最薄の物が変わりますので、ご了承願います。
見切などの「役物」は、鋼板は「0.35」を使うところが多いようです。
ステン製品は、「0.3」物を使います。
「0.27」と「0.35」わずか「0.08」mmの違いですが、実際加工した物を取回してみると、「0.35」の方がしっかりしているのが分かります。
鏡のように費用面処理した「ステン」も親父の代は、「0.3」を使っていましたが、あまりに「ヘタヘタ」していて、「よく使えるなぁ」と、自分の時から「0.35」を使っています。
先日、「0.4」?の部材を使いましたが、また、全然感じが違い「安心感」みたいなものが感じられました。いずれ、「0.35なんて、よく使ってたなぁ」と、言う時期が来るかもしれません。
鋼板の色 ※各写真をクリックし拡大してご覧ください。
自分の所は
ガルバリウム鋼板は「ニスク」さん
ステンレス鋼板は「スワンカラー」さん
銅板は「本銅」さん
を使っています。
- 写真の色と実際の物と違いがありますのでご了承ください。
ニスクカラー ラインナップ
☆つやあり
Sメタリックブラウン | Sダークレッド | Sグレー | Sブルー |
Cゴールド | Cベージュ | Cサンドホワイト | Sグリーン |
Cシルバーブラウン | Cライトベージュ | Cアイボリーホワイト | Sウグイス |
Cシルバー | Cアイボリー | Cホワイト | Cクリーム |
★つやけし
特別にヨドコウさんから
*品名の頭に内にある「S」と「C」
- 「S」
遮熱機能のある塗装がされています。この製品は、赤外線を反射し、屋根や外壁の温度上昇を抑制するそうです。 - 「C」
耐汚染機能のある塗装がされています。塗膜表層の「親水化」で雨筋汚染などの防止機能があります。ヨドコウさんの「シャンパンゴールド」にも同じ機能が付いています。
*親水化とは、
「塗膜」が「水」と「非常に仲良くなる」性質を言います。
このため、塗膜に汚れが付いても、水が表面に付いた「汚れと塗膜の間」に「割り込んででも」入って行きたくなるため、汚れが自然と塗膜から はがれる事になります。これを「セルフクリーニング」と言います。
もし、汚れが付いてしまっても「ホースで強い水を当ててやれば、落ちる」ってことです。スゴイ!
スワンカラー ラインナップ
銅板のつや
本銅さんの表面処理した銅板です。
いつまででもこの色でいてくれるといいのですが、雨に当たると直ぐに「くすみ」が出ます。
三菱さんの銅板は、元々やや「くすんだ」感じてす。